先日、娘と着物屋さんに行き、振袖のお直しをお願いしてきました。私が成人式で着た振袖ですが、娘の方が私よりも10cmほど身長が低いので、裄丈などを直す必要がありました。
およそ30年、タンスで眠っていた振袖。とても綺麗な状態でした。
前撮りと成人式、友達の結婚式でしか着ていませんでしたが、女の子が生まれたら成人式に着せたいなと思って、実家で保管してもらっていた振袖。
とても綺麗に保管してくれていた母に感謝です。お店の人も、とても感動していました。30年前に出ていたシリーズだそうで、今はないデザインなので、懐かし〜と喜んでくださる方も。
振袖を羽織った娘を見て私は感無量。当時の人気シリーズの振袖を見てお店の人も感無量。
古いものって、いろいろな思いが詰まっているでしょう。その思いが時を経て、幸せを運んでくるんだなと思った時間でした。
振袖を実家に取りに行った時、母が若い頃に作った着物をたくさん見せてもらい、うちの娘は感動しきりでした。うちの娘が喜ぶ様子を見て、母は「タンスごと着物を譲る」と言ってくれました。
どうせ誰も着ないだろうから、二束三文でも売ってしまおうかと思っていたようで、売られる前に家に行ってよかったと思いました。絶対打っちゃダメだよ、私たちがちゃんと着るからというと、母はとても嬉しそうでした。
金銭的な価値というよりも、母の思いの詰まった着物を私たちが受け継いでいくということに価値があるはずです。
すでに着物を作ってから50年。私が着て、娘が着て、そして娘の子供たちが引き継いでくれたら、それこそ100年を超えて時間を繋いでいけるものなのです。
実は私は母が苦手で、これまであまりちゃんと会話をしてこなかったのですが、着物をきっかけに一気に距離が縮まった気がします。不思議なものですね。好きなものが共通していると、性格が合わなくても会話ができるようになるんだと驚きました。
ここ数年、父も母も体調がすぐれないことが続いていますので、今距離を縮められたこと、本当に良かったと思いました。これまでの関係だったら、親に何かあったときに、すごく後悔したかもしれません。
でも着物好きのうちの娘のおかげで、親子3代で話が盛り上がり、すっかり仲良くなってしまいました。
コロナ禍で気をつけなくてはいけないこともありますが、月に1度くらいは顔を出して、着物談義に花を咲かせたいと思います。
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